『とくに暖かい冬物』はどれなのか、実際に着て確かめてみました。


こんにちは、今回の記事制作を担当するシブヤです。肌寒さを感じる時期が近づくと、お客様から「とくに暖かい冬物はどれですか?」とお問い合わせをいただく事がございます。

ご着用される場面やお召しになる方によって、暖かさの感じ方は様々なので「これが1番暖かい!」とは言い切れないのですが、私が実際に着てみた感想を交えた形で、ひとつ記事を書いてみることにいたしました。

今回はいくつかのカテゴリーの中から、特に暖かいものをご案内させていただきます。少々ボリューム感のある記事となっておりますので、目次をご用意いたしました。少しでもご検討の参考になれば嬉しいです。

目次にある文字をクリックすることでそれぞれのカテゴリーの記事部分に移動することができます。また、ページ右下に表示されている「 ^ 」アイコンをクリックするとページの冒頭部分に戻ることができますので、ご活用いただけたらと思います。


【その1:刺子織 】

まずは、和粋庵の冬を代表する人気カテゴリー「刺子織」から特に暖かい作務衣をご紹介いたします。

太刺子作務衣 No.1 濃紺 

太刺子作務衣 No.1 濃紺 

和粋庵の刺子織シリーズ中、最も厚手でどっしりとしているのが『太刺子作務衣』です。綿100%の太刺子生地はゆっくり丁寧に織られているため(*1)、剣道着・柔道着を彷彿とさせる質感でありながらも、とてもしなやかです。

その柔らかな着心地は、ご購入者様から「座っても寝転がっても快適だ」とのご感想をいただく程。

私も冬場の仕事着として数年間着用を続けているのですが、年々生地が柔らかくなり着心地が良くなっている気がします。
私も家で寝転がって着てみたいなあ・・・と思ってしまうわけですが、刺子織は通気性の良い織物なので、「室内でのくつろぎ着」として特におすすめしたいです。

真冬に屋外で着用いただく際には「羽織・はんてん・コート・マフラー」を組み合わせることで、かなりの暖かさを味わう事ができます。(羽織・はんてん・コート・マフラーについては、【その4:その他】のパートでご案内いたします)

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(*1:ゆっくり織る理由:生地を織るスピードを速めることで生産効率は上がりますが、風合い面の表現力は劣ります。あえてゆっくり丁寧に織ることで、時間はかかりますが、生地の表面に凹凸感のあるふっくらとした暖かみを感じる仕上がりになるのです。)

[参考]「刺子織」に関するよみものはこちら ↓ ↓ ↓

刺子織(さしこおり)

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刺子織(さしこおり)

ここのところ急に寒くなってきましたので、自宅で「太刺子作務衣」を着ることが増えました。どっ […]


【その2:総 裏 】

続きましては[総裏]部門です。まず「総裏」について簡単にご説明いたします。

「総裏(そううら)」とは、上着とズボンの全体に裏地を付ける仕様の事、を言います。裏地がつくことで表地と合わせて二重構造になるため、保温性・保湿性が高まり、寒い日でも暖かく過ごせるようになるのです。

そんな[総裏]がついている製品のうち、とくに暖かいものを1点選ぶとするならば、こちらの『スエード裏地付作務衣』です。

スエード裏地付作務衣  No.1 濃紺

スエード裏地付作務衣 No.1 濃紺

地厚でありながら柔らかく、肌触りの優しい表地は『遠州織作務衣』で使われているものと同じ生地です。まるで手で紡いだような素朴さを持っています。そして裏地は、高級感のある綿スエードの起毛した暖かい生地を使っています。

肌触りがやわらかな綿スエードは天然素材のため、静電気が起きにくいのも嬉しいポイントです。そのシルエットは単衣(ひとえ)の作務衣と変わらないスッキリとした仕上がりですが、抜群の温もりを感じる事ができます。

実際に着てみたところ、上着の袖に腕を通す時、指に触れる「裏地の起毛」が素肌に優しく伝わってきて、その時点で暖かさを感じられました。

▲裏地を撮影してみました。ふんわりとした起毛が、体温で暖められた空気をしっかりキャッチして暖かさを保ちます。

「起毛」というキーワードから連想される織物のひとつに、「ネル」というものがあります。和粋庵にも、ネル生地を使用した暖かな下着がございます。作務衣と同じ四つ紐があるタイプで、しっかりと衿をあわせて綺麗に着用することができます。

綿ネル作務衣下着

綿ネル作務衣下着

風の通しやすさを確かめるために、ドライヤーで冷風(強風モード)を当ててみたところ、ほとんど風を感じませんでした。先にご案内した「太刺子作務衣」は若干冷たさを感じたので、裏地がついていることが影響しているのだと思われます。

また、私はそれ程気になりませんでしたが、裏地がついているから少々重いので(Lサイズの重量=上着とズボンを合わせて約1445g)、衣類に「軽さ」をお求めになる場合は、注意が必要かもしれません。


【その3:綿 入 】

3つ目にご紹介するカテゴリーは[綿入]です。

綿入(わたいれ)とは、衣類の表地と裏地の間に綿を入れること、または入れたもののことです。そして中に入れる綿のことを中綿(なかわた)といいいます。

中綿はフワフワとしているので、その隙間にたっぷり空気を含ませることができ、外からの冷気と体熱が外に逃げるのを防ぐ役割を持っています。

和粋庵のラインナップのうち中綿が入っている製品は、作務衣はんてんがございますが、そのほとんどで「ポリエステルの中綿」を使っています。

ポリエステルは世界で最も生産量が多いと言われる化学繊維で、「弾力性がありしわになりにくい」「保管がしやすい」という取り扱いやすさがメリットです。

▲中綿の写真です。本当にポリエステルなの?と思ってしまうほど柔らかな肌触りでした。

またポリエステルのデメリットとして「吸湿性が無く、風を通しにくい」という特徴も挙げられますが、冬場はこれがメリットになります。
吸湿性が無い点は「洗濯しても速く乾く」、風を通しにくい点は「熱を逃がさず保温性を高めてくれる」と言い換えることができるからです。

そんな[綿入]部門でとくに暖かいものはこちらです。

抗ウイルスデニム綿入れ作務衣

抗ウイルス・デニム綿入れ作務衣 No.1 濃紺

上着・ズボンともに中綿が入っているので、保温性に優れまるで包み込まれるようなポカポカした暖かさが味わえます。上着の袖・ズボンの裾がゴム仕様である点も、保温性向上に役立っているように感じました。

また、中綿が入っていることでモコモコして動きにくいのかな、と想像していたのですが、これが意外と動きやすい!お客様にご提案する立場である私もこれは驚きました。中綿の量が適切で、尚且つ綿(めん)よりも軽いポリエステルであることもこの結果に影響していると推測されます。

当店のお客様には寺院で働かれている方もいらっしゃるのですが、冬場は綿入作務衣をお召しになって作務を行われている、というお話も耳にしたことがございます。そういった点から「活動的なシーンでも役立つ一着」ともいえます。

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【その4:その他 】

「その他」という大ざっぱな括りでまとめてしまいましたが、ここまでにご紹介してきた「作務衣」との組み合わせによって、暖かさを得ることが出来るアイテムがございます。それが「羽織・はんてん・コート・マフラー」です。せっかくの機会ですので、それぞれ簡単にご紹介させていただきます。

当店の「羽織」「太刺子」「小柄ドビー」、そして「綾織」といった和粋庵の定番作務衣と同じ生地を使った物でご用意がございます。羽織を作務衣の上から一枚羽織る事で、より一層格式高い着姿を楽しめる他にも、ポリエステルの総裏がついているので高い保温性も得ることができます。

太刺子羽織 No.1 紺

太刺子羽織 No.1 紺

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冬場は「はんてん」の存在も忘れられません。和装に限らず、洋装の上からもサッと羽織る事で包まれるような暖かさを体感できるはんてんは、より暖かさを追求されたい時は「袖有りタイプ」を、

織縞模様綿入袢天

織縞模様綿入袢天 No.1 細縞

暖かさと動きやすさ両方が欲しい時は「袖無しタイプ」をおすすめいたします。洋装の「ダウンベスト」と同じように、その日の予定や気分に合わせたコーディネートを気軽にお楽しみいただけるかと思います。

刺子織 袖無し綿入れ袢天 No.1 濃紺

刺子織 袖無し綿入れ袢天 No.1 濃紺

袖有り・袖無し、どちらも中綿入りです。はんてんは毎年「ギフト」としても人気があります。

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寒い時期の外出は、作務衣だけでは頼りないなあと感じる時もあると思います。だからといって、作務衣の上からウインドブレーカーや洋風コートを合わせるのは折角キマッた着姿を台無しにしかねません。やはり作務衣には、作務衣に似合うコートを着ていただきたい。そんな想いから生まれたコートがこちらです。

作務衣コート 黒

作務衣コート 黒

表地はウール混紡の指が触れただけで温もりを感じる生地を、裏地は風を通しにくいポリエステルの生地を使用しています。

写真のモデルは雪が降る中、余裕の笑みを浮かべておりますが私も数年前の2月上旬、東京で行われた展示会に出展した際、当店の社長から”ちょっとしたおつかい”を頼まれたことがあり、気温一桁台の東京ビッグサイト周辺をこちらの「作務衣コート」を着て数時間程過ごした経験があります。その時は寒さを感じるどころか汗をかいてしまいました。(ちなみにコートの内側には着ていた作務衣はカイハラデニム11オンス作務衣でした。発売以来、冬に人気のあるデニム作務衣です。)

四つ紐を結ぶ「作務衣式」ならではの美しいシルエットは、洋装にもマッチするので冬の様々なシーンで役立つことが期待できるアイテムでもあります。これに加えてこちらの「ウールマフラー」で首元を包み込めば、もう怖いものなしです。

ウール差し込みマフラー絣 No.2 茶 

ウール差し込みマフラー絣 No.2 茶 

こちらのマフラーは「ウール100%」なので保温効果が高く、弾力性があり、型崩れやシワになりにくいことが特徴です。差し込み型のマフラーですのでどなたでも簡単に、そしてスマートに着こなすことができる点もおすすめポイントです。


【結局どれが一番暖かいの? 】

ここまで色々とご紹介をしてまいりましたが、とても長くなってしまいました。それでは結局、どれが一番暖かいの?とお客様から聞かれた時、今の私でしたらこのようにお答えします。やはり裏地がついていたり、中綿が入ることで暖かさの次元が変わります。括弧内のアイテムを組み合わせることで、より暖かくお過ごしになれます。ご参考としてください。

●家でくつろぎ着として着る

【筒袖作務衣】
■スエード総裏作務衣 

【袖・裾ゴム式作務衣】 
■抗ウイルス・デニム綿入作務衣
■刺子織 作務衣式綿入袢天

●外で活動的に着る

【筒袖作務衣】   
■スエード総裏作務衣
(重さが気になる方は■太刺子作務衣もおすすめです。)

【袖・裾ゴム式作務衣】  
■抗ウイルス・デニム綿入作務衣 
■作務衣コート & ■ウール差し込みマフラー絣


【番外:総裏にポリエステルを使っているもの】

実は先程ご紹介した[総裏シリーズ]のうち、裏地に「綿」ではなく「ポリエステル」を使っているものもございます。いわゆる「スーツ」のオールシーズン物にはポリエステルの裏地がついていることが多くありまして、これは内側からの汚れから守ったり、裏地を付けることによって滑りを良くしスルッとした着心地をもたらす役割を持っています。そんなポリエステルの裏地が付いた作務衣のうち、暖かなものをひとつご紹介するならこちらです。

『シャンブレー総裏作務衣』

シャンブレー総裏

シャンブレー総裏作務衣[聖] No.1 濃紺

表地にはポリエステル100%の「シャンブレー」生地を使用しています。シャンブレーとは平織りの一種で、たて糸に色糸(いろいと)・よこ糸に晒糸(さらしいと)を使って織り上げたものです。特有の霜降り状のムラが美しく、豊かな表情を見せてくれます。

ポリエステルの裏地付きのため、軽やかな着心地でありながら、しっかり暖かくお過ごしいただける機能性も充実しています。上着の袖とズボンの裾がゴム式仕様なので、外出や庭のお掃除をする時も冷気が入りにくく、また天然素材に比べて軽いため、活動的な着用シーンに適した1着といえます。


今回の記事を書くにあたり、実際に色々な商品の試着をいたしました。実際に着てみないとわからないことってあるなあ・・・というのが一番の感想です。何事もそうですが「百聞は一見に如かず」ですね。私自身、貴重な体験となりました。

また今回ご紹介したアイテムの他にも、冬を心地よく過ごすために役立つものが沢山ございますので、是非あなたにとってのお気に入りや、おすすめのコーディネートを見つけていただけたらと思っております。最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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