小さな見学会を終えて – 座談会 –


共創するお店に。

冬の凛とした空気が流れる1月の下旬。
群馬県桐生市にある私たちの縫製工場に、大切なお客様をお迎えしました。
2回に分けて開催し、8名のお客様にご参加いただいた工場見学会と座談会。
そこには、私たちが日々向き合っている「ものづくり」へのこだわりと、それを受け取ってくださる方々の熱い想いが交差する、かけがえのない時間がありました。

見学後は、群馬県産の桑茶とおせんべいを囲んで、
ゆっくりとお話する座談会の時間を設けさせていただきました。

オリエンテーション

01|座談会

なかでも印象的だったのは、工場の空気感についてのご感想です。

「とてもいいなと思ったことがひとつあって。
 工場の空気感が、とても凛としているところだった。」

「すごくみんな静かで、適度な緊張感を感じながら、でもなんて言うんでしょう、
 脅迫されるような感じではなくて、“いいものを作りたい”と思えるような空気感ができている。」

座談会

職人たちの研ぎ澄まされた集中力、真剣な眼差し、そして無駄のない手の動きから伝わる“凛とした”空気。
それは、WEBページや商品、カタログからはなかなかお伝えすることが難しく、実際にものづくりの現場をご覧になって初めて感じていただくことができるものです。

ミシン縫製

「ただ形ができるというものづくりと違って、
 意味を持たせた物語のあるものづくりをしていれば、やっぱり気がつく人は多分気がつくんですよ。」

「100%機械化しないでください。
 肝心の、要のところは手でやっているという愛情を、みんな感じ取っている。」

お客様から紡ぎ出される言葉の端々に、私たちが大切にしたいと願っている想いが重なっていることに気づき、思わず胸が熱くなりました。

02|お客様と共創するお店

日々、和粋庵の作務衣や頭陀袋をご愛用くださっているお客様からは、普段の生活での具体的なご意見もお聞かせいただきました。

リクエスト

「どうしてもスマホが取り出しにくいんだよね。」

実際の暮らしの中でお使いいただいているからこその率直なお声は、私たちにとって貴重な道しるべです。
いただいたご要望をもとに、スマートフォンがちょうど収まる大きさのポケットを新たにお付けすることとなりました。

自社工場を構える和粋庵だからこそ、お客様から頂戴したお声を、すぐ次の一針へと繋げることができます。

時代に合わせ、お客様の暮らしに寄り添いながら、今できることを一つひとつ丁寧に積み重ねていく。
そして、その積み重ねによって、お客様とともに新しい一着を育み、和装の愉しみをさらに広げていける。

和粋庵は、そんな場所でありたいと願っています。

ポケットを追加した頭陀袋

商品:9060 たてスラブ頭陀袋ミニ No.5 茶

03|あずま袋

ご参加いただいた皆さまへ、感謝の気持ちを込めたささやかなお土産として「あずま袋」をお渡ししました。作務衣や甚平を製作する際にどうしても余ってしまう端切れ生地から作った袋です。

あずま袋

「生地を余すことなく使う」という昔ながらの考え方についても、実物を通してお伝えすることができたのではないかと思います。

あずま袋

04|工場見学会・座談会を終えて

開催前は、「楽しんでいただけるだろうか」「お客様にお集まりいただけるだろうか」と、実は少なからず不安も抱えておりました。

しかし当日を迎えると、皆様が熱心に見学や座談会へご参加くださり、会場は温かな熱気に包まれました。
私たちでは気づけない疑問点や、日頃からご愛用いただいているからこその率直なご感想。その一つひとつが、私たちにとって何よりの学びであり、かけがえのない宝物となりました。

当日、スタッフが折に触れて口にしていたのは、「お客様のおかげです」という言葉。
安価なものが溢れる時代の中でも、私たちが今なお、ものづくりへのこだわりを持ち続けられるのは、その価値を共に大切にしてくださるお客様の存在があってこそだと、改めて実感いたしました。

私たちは、和粋庵に関わってくださるお客様を、日本の手仕事を未来へつないでいく大切な「仲間」だと考えています。

ご参加いただいた皆様、そして日頃より和粋庵を支えてくださるすべての皆様に、心より御礼申し上げます。

前編|工場見学会 はこちら