近江ちぢみと小千谷ちぢみの違いと魅力
-夏を心地よく過ごす、日本の知恵-
▼ 目次 ▼
縮(ちぢみ)とは何か ― 日本の夏を支える知恵
近江ちぢみ ― 日常に寄り添う、軽やかな涼しさ
小千谷ちぢみ ― 雪国が育んだ、シャリ感のある清涼感
自分に合った一着で、夏をもっと快適に

蒸し暑い日本の夏。
少しでも涼しく、快適に過ごしたい―そんな想いから生まれたのが、日本の伝統織物、縮(ちぢみ)です。
なかでも代表的なのが「近江ちぢみ」と「小千谷ちぢみ」。
和粋庵でも、これらの生地で仕立てた作務衣や甚平は、夏の定番として長く親しまれています。
どちらも涼やかな風合いを持ちながら、背景や着心地にはそれぞれ異なる魅力があります。このブログでは、生地の特徴・歴史・製法に加え、価格帯の違いも踏まえながら、選び方のポイントをわかりやすくご紹介いたします。
夏に涼しい衣類をお探しの方や、ちぢみ生地にご興味のある方、そしてどちらの生地を選べばいいか迷っている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
縮(ちぢみ)とは何か ― 日本の夏を支える知恵

ちぢみ(縮)とは、生地に細かな凹凸(シボ)を施すことで、肌との接地面を減らし、風通しを良くした織物です。
汗ばむ季節でも肌に張り付きにくく、さらりとした着心地が続くことから、古くから日本の夏に欠かせない素材として親しまれてきました。
そのルーツは、奈良〜平安時代にまで遡るといわれています。中国から伝わった織物技術をもとに、日本の気候に合わせた改良が重ねられ、蒸し暑い夏でも快適に過ごすための工夫として、シボを生み出す技術が発展しました。
江戸時代には各地で独自の進化を遂げ、近江ちぢみや小千谷ちぢみといった、現在でも知られる産地ごとの織物が生まれます。
明治時代に入ると、機械化や洋装文化の影響により一時は需要が減少しましたが、現代では「涼しい夏の素材」として再評価され、再び注目を集めています。
近江ちぢみ ― 日常に寄り添う、軽やかな涼しさ
【水と風土が育てた、しなやかな風合い】
滋賀県・湖東地域で育まれてきた近江ちぢみは、400年以上の歴史を持つ麻織物です。「絹麻上布」とも称されるその佇まいには、上質さと品格が宿ります。

琵琶湖からもたらされる湿り気を含んだ空気と澄んだ水。
この恵まれた自然環境の中で、繊細な麻をやさしく扱う技術が磨かれ、しなやかな風合いが生み出されてきました。
近江ちぢみ
製法と価格帯
緯糸に強撚糸を使用し、シボ出し工程を機械化。品質の安定と効率的な生産により、比較的手に取りやすい価格帯を実現しています。
特徴
- やわらかく、軽やかな風合い
- 肌あたりが優しく、扱いやすい
- 上品で自然なシボ感
こんな方におすすめ
- リラックスウェアとして使いたい方
- 日常使いを重視したい方
小千谷ちぢみ ― 雪国が育んだ、シャリ感のある清涼感
【伝統と技術が生む、涼しさの極み】
新潟県小千谷市を中心に受け継がれてきた小千谷ちぢみは、約1200年の歴史を持つ伝統織物です。国の重要無形文化財にも指定され、日本を代表する夏織物として知られています。

その魅力は、雪深い風土の中で磨かれてきた"匠の技"。
なかでも象徴的なのが、「雪さらし」と呼ばれる工程です。雪の上に生地を広げて漂白することで、透明感のある美しさと、しなやかな風合いが引き出されます。さらに、強く撚った糸と「湯もみ」によるシボ出しによって、独特のシャリ感と優れた通気性が生まれます。
また、「小千谷ちぢみ・越後上布」は平成21年(2009年)にユネスコ無形文化遺産にも登録されており、その技術と文化的価値は世界的にも高く評価されています。
新潟県ホームページ 小千谷縮(おぢやちぢみ)
※和粋庵の製品は、伝統技術に根ざしながらも雪さらしの技法を用いずに、現代の暮らしに取り入れやすい品質と快適な着心地を実現した生地を使用しています。
小千谷ちぢみ
製法と価格帯
強撚糸と「湯もみ」の手仕事によってシボを生み出します。
職人の技術と手間を要する織物であり、その価値が価格に反映されています。
その伝統技術はユネスコ無形文化遺産にも登録されており、日本を代表する麻織物として高く評価されています。
※文化財クラスの反物は、より高額となる場合がございます。
特徴
- シャリ感のあるドライな肌触り
- 高い通気性と速乾性
- はっきりとしたシボ
こんな方におすすめ
- 伝統的な風合いを楽しみたい方
- 真夏の外出やフォーマルな装いとして着たい方
自分に合った一着で、夏をもっと快適に
近江ちぢみと小千谷ちぢみは、それぞれに異なる魅力を持つからこそ、選び方はシンプルです。
やわらかさや着やすさを大切にし、日常に寄り添う一着をお求めであれば近江ちぢみを。
ひときわ涼やかな清涼感と、伝統に根ざした趣を楽しみたい方には小千谷ちぢみを。
それぞれおすすめいたします。
| 近江ちぢみがおすすめの方 | 小千谷ちぢみがおすすめの方 |
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和粋庵では、こうした特徴を活かした縮(ちぢみ)作務衣や甚平を、職人が一着一着丁寧に仕立てております。それぞれの違いと魅力を知ることで、ご自身に合った一着がより見つけやすくなることでしょう。
迷われた際には、「どのようなシーンでお召しになりたいか」を思い浮かべてみてください。
暑さを我慢するのではなく、心地よく付き合う。そんな日本の知恵を、ぜひ日常の中でお楽しみください。
参考サイト




