和粋庵の甚平、比べてみました。
そこかしこに感じられる夏の気配にソワソワしております、コイケです。最近は一気に夏めいて、少 […]
近年は「猛暑」「酷暑」といい表されることも多い、日本の夏。先人は少しでも涼しく快適にすごすために、「風鈴」「すだれ」「行水」「打ち水」といったさまざまな工夫を重ねてきました。現代は「エアコン」や「扇風機」が主流でしょうか。
エアコンから出る冷たい風は直に浴びると清涼感が得られるので、つい設定温度を下げてしまうこともありますが、体が冷えすぎると自律神経のバランスを崩すきっかけとなり、そのバランスが崩れると「冷え」に対する抵抗力が弱まり、足腰の冷え、頭痛、だるさ、不眠等といったいわゆる”冷房病”に悩まされかねません。
エアコンや扇風機を上手に活用しつつ、他にも暑さを和らげる方法はないものか。ここはシンプルに涼しい服装で過ごすのはいかがでしょうか。今回は3つのポイントにしぼり、関連する商品のご紹介も交えつつご案内させていただきます。
蒸し暑い夏にさっぱりとした着心地を得るには、風通しの良さが必須といえます。和粋庵の夏向き商品ラインナップには、生地に「しぼ」とよばれる凹凸を持つものが多数ございます。それでは、熱伝導率が高く天然繊維の中で特に涼しさが味わえる素材、麻(ラミー)100%の生地を例に見てみましょう。
強い撚り(より)をかけた緯糸(よこいと)を織り上げ、手もみ作業によって緯糸(たていと)の撚りを戻すことで縦方向に「しぼ」を作っています。この凹凸が肌との接触面を減らし、風通しのよさをもたらします。
「しぼ」は、「近江ちぢみ」の他にも 「小千谷ちぢみ」 「しじら織」 「サッカー織」 「楊柳」といった様々な技法を用いて作り出されます。じめっとする日本の夏に、さわやかな着心地を求めた結果うまれた知恵、といえるかもしれません。(「しぼ」それぞれの特徴は各商品ページ内でご説明がございますのでそちらをご確認ください。)
それではここで、夏の風物詩ともいっても過言ではない「甚平」にスポットを当ててみます。甚平は長袖・長ズボンの作務衣とは異なり、上着袖が短くズボン丈がひざ下ぐらいまでの見た目にも涼しい衣類です。また和粋庵の甚平は近年巷ではなかなか見られない「タコ糸手編み仕様」です。
袖付けから脇部分のタコ糸は、職人さんが一着一着手作業で編んでいます。もちろん手間はかかりますが、簡易的なレースを縫い付けるだけの製品と比べると見た目の高級感は段違いですし、涼しい風も通ります。熱中症対策においても「衣服を工夫する」ことが重要だと聞きますので、涼しい甚平はルームウェアとしてもおすすめです。
★甚平についてはこちらの記事で詳しくご案内しております。サイズ・色・質感といった3つの観点から比較を行っております。
★甚平のズボンはひざ下丈のハーフパンツです。ひざを出すことに抵抗がある方は、作務衣の上着の裄丈を短く加工するのも、一つの手です。加工については以下をご確認ください。
★上着袖、ズボン裾をまくりあげられる作務衣もございます。まくった袖や裾はボタンで留めることができるので、しばらくして袖や裾が落ちてくるという、煩わしい思いもせずに快適です。
初夏に寝具売り場の前を通ると「ひんやり冷たい接触冷感」などというキャッチコピーを目にすることがあります。ひやっとしたお布団があれば熱帯夜を快適に過ごせますので、「今年の夏は試してみようかな」とお考えになる方が多いからだと思いますが、それは衣類でも同じことが言えます。
先ほども少し触れましたが、麻は熱伝導性に富み天然繊維の中では涼しさナンバーワンとも言われています。通気性に優れつつ水分の発散もスピーディーなので、いつでもサラリと着られるのが特徴といえます。また生地にコシがあるので肌にくっつきにくく、ベタつかないのも魅力です。
和粋庵にはこの麻以外に、麻のシャリ感と綿の肌触りの良さを併せ持つ「綿麻」、超強撚の技術から生まれた天然由来の高機能綿素材「アイスコットン」、その繊維構造により、いつもドライな着心地が味わえるポリエステル製高機能繊維「クールマックス」、ヒンヤリ感は高くありませんが、吸汗性が高い薄手の「綿」から仕立てた製品がございます。お好み、ご用途に合わせてお選びいただけます。
今回は、「風通しのよさ」「涼しい形」「涼しい素材」という3つの観点からお話しをさせていただきました。暑さを和らげるひとつの方法として、「涼しい衣類の着用」を是非ご検討ください。