藍染の作務衣、洗うとどうなる? vol 1
和粋庵の草木染作務衣のなかでもとりわけ人気のある「本藍染作務衣」。その自然で深みのある藍色 […]
以前「藍染作務衣、洗うとどうなる?Vol.1」と題しまして、実際に本藍染作務衣を洗濯するとどうなるのか、を記事にまとめましたがこちらはその続編です。
前回のおさらいはこちらをご覧ください。本藍染作務衣とはなにかについてや、どのようにお洗濯をするのか等についても書かれています、
前回の記事で取り上げた1回目の洗濯は仕事場で行いましたが、それ以降はスタッフの自宅で洗っています。只今4回目が終わったところで、その様子を毎回写真に残してもらっていますのでそちらと一緒に見ていきたいと思います。
また今回は、洗濯をすることで新品とどの程度色が変わるのか、そしてサイズの変化がみられるのかについてもお伝えいたします。
洗う場所は変わりましたが、洗濯1回目と同様に洗濯桶を利用して手洗いを行います。洗濯桶にぬるま湯と中性洗剤を入れ、ズボン・上着ともに20回程度押し洗いをしました。
洗濯後の水を透明なグラスに入れてみました。1回目の時の水に比べると若干薄い青色になりました。(後ほど1回目~4回目までのコップを並べて比較できる画像をご紹介します)
洗い場が変わったことで、この写真のような「スロップシンク」ですすぐと楽だ、という発見もありました。
すすぎが終わった後は、脱水して陰干しをして乾かします。脱水・陰干しについては『vol.1』をご参考としてください。
続いて3回目の洗濯です。まずは桶で押し洗いしていきますが、ここでいままでとは違う反応が見られました。
ぬるま湯につけはじめると黄色くなっていき、
数回押し洗いをしたら薄い緑色になりました。
水が黄色や緑色になるのは、生地に定着していない”乗っかっているだけ”のような状態の藍の色素が落ちて水に溶けた事が原因と推測されます。
繊維が染料を吸収できる量には限界がある為、繊維が吸収しきれずに付着している染料は色落ちしてしまうのです。(染液に浸された布は空気に触れることで酸化し、綺麗な藍色に変わっていきます)
その後10回程押し洗いをしたところ、紺のような色水になりました。
洗い終わりすすぎの時には青い水がでました。
また、3回目の洗濯が終わった後の桶をみてみると、青く色移りしていました。
洗濯後の水はこのような色になりました。2回目洗濯後と比べて薄くなりました。
それでは続いて4回目の結果を見ていきます。3回目同様、ぬるま湯につけはじめると水が徐々に黄色へと変わり、
その後数回押し洗いで緑色へ。
そしてさらに20回程押し洗いをしたところ、紺色に近い色となりました。3回目の時は10回の押し洗いで青い色味が出ていました。
すすぎの段階でもまだ青い水がでるようです。
洗濯後の水は青というより緑に近い色になりました。洗濯を繰り返すことによってだんだんと落ちる色は薄くなっています。
洗濯後の水の写真を左から順に1回目から並べてみました。3回目以降は緑が強く出ていることがわかります。
新品と4回洗濯済品で色の比較を行いました。左が新品、右が洗濯した作務衣です。糸切ばさみは色見本として置きました。
写真ですといまいち違いがわかりづらいかと思いますが、洗濯後のほうが明るくなりました。
最後に、新品と4回洗濯済品でサイズの比較を行いました(いずれもLサイズです)。それではまず上着から、ということで新品の上に洗濯済品を載せてみました。
着丈と裄丈の寸法を測ってみたところ、新品の着丈が「79㎝」だったのに対し洗濯済品は「74㎝」ということで5㎝縮みました。裄丈は「75㎝→73㎝」ということで2㎝縮みました。
次いでズボンです。上着と同じように新品の上に洗濯済品を載せてみました。
ウエスト・ズボン総丈・股下を測ったところ、[ウエスト:-5㎝、ズボン総丈:-3㎝、股下:-1㎝]という結果でした。
ここまでの計測によって上着・ズボンともに縮むことがわかりました。サイズ選びで迷ったら、ワンサイズ上のものをお選びいただくほうが安心ですね。
【参考】作務衣のサイズ選びについてご説明しているページがございます。お客様の着用写真をお借りした着用サイズ例もご案内しておりますので、ぜひご参考としてください。
本日は最後まで読んでくださいましてありがとうございました。今回の洗濯レポートは以上となります。この洗濯実験は「10回」を目標としているので、その後の経過についても改めてお伝えできたらと思っております。
10回洗い終わった頃、どんな姿になっているのでしょうか。それではまた。