本柿渋作務衣を10回洗ってみました。

柿渋染の紹介

柿渋は、防水・防腐・防虫効果を持ち、日本人の庶民の知恵として江戸時代から用いられてきました。その風合いは「唯一無二」という言葉が相応しい独特なものです。染めにかかる期間は2年以上にも及び、その染めの困難さから、大量生産はできません。

和粋庵の本柿渋染作務衣は、自然な濃い藍色に染められた本藍染作務衣に並び、人気の草木染作務衣です。あえて色が落ちていくように染めているため、手洗いをおすすめしております。洗濯機で洗えるものに比べて、お手入れに手間がかかりますが、着こむごとにビンテージ感が増し、まるで作務衣を育てているような特別な愛着も湧く一着です。

本記事では、そんな本柿渋作務衣を10回洗った結果、どう変化していくのかをご紹介いたします。

洗濯の方法を確認

お洗濯前の柿渋染は、生地に独特の硬さがございますが、お洗濯を繰り返すことで柔らかな風合いへと変わっていきます。それではお洗濯をはじめる前に、製品についている「洗濯表示」を確認します。この洗濯表示は世界共通のマークとなっていて、衣類を長く愛用いただくために必要なお手入れの注意点が明記されています。当店の作務衣には上着・ズボンともにこの洗濯表示が縫いつけられていますので、そちらを確認してみます。

Lというサイズ表記と「本柿渋」であることを示す文章、「綿100%」という生地の品質を示す表示されている面を裏返すと、6個の図がございます。こちらを左上から時計回りに見てみます。その結果、以下を守って洗濯しなければならないことがわかりました。

  • 液温は40℃を限度とし手洗いができる
  • 塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止
  • タンブル乾燥禁止
  • ドライクリーニング禁止
  • 底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる
  • 日陰のつり干しがよい

【参考】

洗濯表示については、こちらの記事でもご説明しています。


作務衣・甚平のお手入れ方法について【その1】

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洗濯準備

それではまず、お洗濯1回目の様子をお伝えします。道具はこちらを用意しました。

  • 洗濯桶 (他の衣類と洗濯槽への移染を防ぐために使用します。)
  • 中性洗剤 (繊維に優しいので、型崩れがしにくいというメリットがあります。)

洗濯(①押し洗い)

洗濯桶にぬるま湯(洗面所の水道から出るお湯を使用)と中性洗剤を入れ、ズボン、上着ともに20回程度押し洗いをします。押し洗いとは、文字通り衣類を「押して洗う」方法です。手で上から押す、離す(場合によっては軽く持ち上げる)といった作業を繰り返します。

押し洗いを繰り返すうちに、透明だったぬるま湯が次第に色づいていきます。

洗い終わった後の水を透明なコップに入れてみました。

洗濯(②すすぎ~脱水)

洗いに続いて、すすぎに入ります。洗いと同様にぬるま湯で押し洗いをしながらすすぎ、手で絞り脱水をしました。この工程でも桶の水は茶色に染まりました。


洗濯(③陰干)

脱水が終わったら、生地のシワを伸ばし、風通しの良い場所で陰干しをします。陰干しは「直射日光を避け、日陰で洗濯物を干すこと」です。屋内・屋外問わず、直射日光に当たらない日陰で干していれば「陰干し」と言えます。

陰干しの反対は「日干し」、「直射日光に当てて乾かすこと」です。衣類に日光を当てると、細菌の繁殖を抑えてくれる効果がありますが、紫外線の影響で色褪せや変色の原因になるのでお気をつけください。

初回洗濯後の乾燥した作務衣の様子

【洗濯前(新品)】

【洗濯後(初回)】

色について新品と比べると、明るくなりました。天然染料で染めているため、均等には色は落ちず濃淡が現れています。また生地の硬さは若干残っていますが、洗濯前と比べるとずいぶん柔らかくなりました。この調子であと9回洗濯と乾燥を繰り返してみます。

2回目~9回目の洗濯経過

【2~3回目の洗濯後】

コップの洗濯水を見ると、初めての洗濯と同じくらい濃く色が落ちています。作務衣が乾いた様子を見るとまだ濃い柿渋茶です。

【洗濯後(2回目)】

【洗濯後(3回目)】

【4回目~9回目の洗濯後】

3回目以降の洗濯では色落ちのスピードは緩やかになっていきますが、色落ちは続いていきます。

9回目の洗濯が終わりました。色落ち具合は、新品と比べるとずいぶん変化がでています。生地の硬さはすっかり無くなり、とても柔らかな肌触りとなりました。

洗濯回数を増すごとにコップの水色は薄くなっていますが、継続して色落ちしているのがわかります。この様子だと、10回目以降も色落ちは続いていくと予想されます。

新品と10回洗濯したものとの比較(色)

新品と10回洗濯済品で色の比較を行いました。洗濯回数が増すごとにいい色合いと風合いになっていきます。

新品と10回洗濯したものとの比較(サイズ)

サイズの比較もしてみました。まずは上着から比べてみます。
【 着丈 : -10cm、裄丈は長さは変わらず、袖口 : -3cm 】という結果でした。

続いてズボンを比べます。ウエスト・ズボン総丈・股下を測ったところ、
【ウエスト:-5㎝、ズボン総丈 : -3㎝、股下 : -1㎝】という結果でした。

ここまでの計測によって上着・ズボンともに縮むことがわかりました。当店のラインナップのうち、特に縮みやすい太刺子作務衣と同様に、サイズ選びで迷ったらワンサイズ上のものをお選びいただくほうが安心ですね。


本記事を最後までお読みくださり、誠にありがとうございました。お洗濯を重ねるごとに生まれる変化をお伝え出来たのであれば、幸いです。

日本の職人が仕立て上げたこだわりの一着を、あなたの手で、世界にひとつだけの作務衣に育ててみませんか?

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★参考情報★

柿渋は好きだけど、お手入れが大変なのはちょっと・・・というお客様は「親しみやすい柿渋染」をコンセプトに作られた「武州柿渋染作務衣」をおすすめいたします。

柿渋の染料を使う前に反応染料で染めることで、色落ちをしにくくしています。更にワンウォッシュ加工を施すことで、生地を柔らかくしました。お届けがされた直後から、着心地良く、柿渋染めの風合いをお楽しみいただけます。柿渋染めや、草木染めに興味を持ち始めた、初心者の方にもおすすめの作務衣です。

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