過去の店長日記
絹糸とクモ糸のコラボレーション スパイダーシルクについて
こんにちは、和粋庵のデザイン制作担当です♪
今日の内容はシルクについてです。
シルクについて面白い研究があることを知ったので、ご紹介してみようと思います。
絹とは?
皆さん絹ってご存知ですよね?
絹のハンカチや絹の手袋といった時に出てくるあの「絹」です。
どちらかというと繊細なイメージがわきやすい素材だと思います。
では「絹」の原材料ってわかりますか?
綿のように植物から採れるのでしょうか、羊毛のように動物の毛から採れるのでしょうか。
正解はカイコガという蛾の繭から採る事ができる貴重な糸です。
ここまではご存知の方も多いと思います。
その歴史は長く、その歴史はおよそ5000年前から始まったとされています。
かつてのシルクロードや、大航海時代の絹貿易、産業革命における紡績機の発明と、
蚕と人間はともに歴史を歩んできました。
絹の特徴として真っ先に挙げられるのは、光沢のある美しさと、肌触りの良さでしょう。
本来、蚕が身を守るために吐き出した糸なので、保温性保湿性に優れ、人との相性がいい素材です。
絹の成分の一つであるセリシンは、繊維という垣根を越え石鹸や化粧品に使用されることもあります。
蚕は一匹で最長1500メートルもの糸を吐き出して繭を作ります。天然繊維の中では髪の毛の30分の1ほどの細く長い繊維です。
カイコガは、完全に家畜化された昆虫で野生としての蚕は見られません。
ゆっくりとした動きで、餌がなくなっても逃げ出すこともなく、人間による手を加えなければ生きていくことはできません。
蚕の繭が孵化する前に、一本の糸から作られた繭からのみ美しい絹糸が採取できます。
クモ糸とは?
一方同じように糸を吐く虫として有名なのが「クモ」です。
蚕が寝床を作るために糸を吐くのならば、こちらの目的は主に網と命綱。
クモの糸は非常に丈夫で、人呼んでクモ糸=バイオスチールとも呼ばれています。
芥川龍之介の本にもあるように、直径1ミリにも束ねると人間一人を軽く持ち上げることが可能といいます。
しかし、クモの家畜化は容易ではなく、量産に適していないのが現状です。
まず、クモは素早く、肉食です。狩りをするために生まれた虫ですので、
体の機能がそれに適応するような形になっているのでしょう。
生きた餌しか食べず、大量飼育の環境におくと共食いしてしまうとのこと。
しかも一匹から採れる糸の量はそう多いわけではありません。
魅力的でありながら、実現されていないのはそこに原因があります。
夢の繊維 スパイダーシルク
そこで、蚕とクモ、両者のメリットを併せ持つ新素材として開発されているのがスパイダーシルクです。
これは特に信州大学の中垣教授によって研究されており、クモの糸を作る遺伝子を蚕の卵に注入し、成長した蚕からクモの糸を吐かせることで、スパイダーシルクという新しい繊維を作ることを目的としました。
現在のところクモ糸の成分はおよそ10%ほど含有された糸が開発されています。強度や伸縮性はまだばらつきがあるらしいのですが、普通の絹糸よりもやわらかく、丈夫な糸ができたとのことです。
絹糸とクモの糸…同じ糸でも用途が全く異なります。
絹糸が繊細優美なイメージならば、クモ糸は質実剛健。
シルクの防弾チョッキが作られる日もそう遠くはないかもしれないですね☆
ちなみに絹、正絹(しょうけん)はこんな商品に使用されています。
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