過去の店長日記
「太陽の染め」柿渋染の効果についてまとめました♪
こんにちは、和粋庵のデザイン制作担当です♪
今日から2月、2月は「きさらぎ」ともいいます。
これの由来は「衣(絹)を更に着る」ことから「衣更着(きさらぎ)」や「絹更着(きさらぎ)」というそうです。まだまだ寒さの続く日々が続きますがあたたかくしてお過ごしくださいね♪
さて、ただいま本柿渋染作務衣・頭陀袋の楽天用ページを制作中です!
ですが、この柿渋独特の色合いを出すのがなかなかに難しいのです…
柿渋に含まれる柿タンニンは染めの際に布に被膜を作ります。
どうやらそれが撮影に影響を及ぼしているようでして、光に当てると色が違って見えるのです。
流石「太陽の染め」と言われる柿渋染。光によって様々な表情を見せてくれます。
皆様に正しく色を伝えられるよう頑張りますので、よろしくお願い致します(´;ω;`)
というわけで、今回はこだわりの柿渋について皆様にご紹介しようと思います♪
柿渋の効用・効能
柿渋とは未熟な渋柿を粉砕・圧搾することでできた渋液をさらに発酵・熟成させて作った液体のことです。甘柿でも渋柿でも「渋」は多く含まれるのですが、原料として使うものは渋柿の方が多いです。
柿に含まれる柿タンニンには「防腐」作用がありまして、かつては即身仏(ミイラ)に塗ったり、魚網や釣り糸の防腐剤に使われたりしました。
また先程言った被膜のため「防水」効果もあり、うちわや傘などに塗ることもあったそう。
特に時代劇で浪人が和傘の下地塗りをしている場面にはこの柿渋を用いていたそうです。また、柿渋を塗ったうちわは「渋団扇(しぶうちわ)」といい、丈夫且つ防虫、使っていると柿渋の深みのある色に変化していく、と、まさに柿渋のメリットを最大限に活かした製品です。
柿渋色の秘密
実は柿渋色は忍者の衣装にも使用されています。
忍者の活動時間である夕暮れ時から夜にかけて、
この時間帯には黒の忍者衣装よりも輪郭がわかりにくくなる性質を持っています。
さらに真っ黒の衣装ですとひとたび市井に入ればすぐにばれてしまいますが、
柿渋は変に浮くこともなく、暗闇でも明暗差が出ることなく過ごすことができたらしいです。
さらに柿渋の効果を踏まえれば最高の忍者衣装だったかもしれませんね☆
柿渋は赤褐色で半透明の液体で柿タンニンをたくさん含んでいます。
青柿の搾り汁を発酵・熟成させることで染色液とするので、染に至るまでの期間は実に2年以上!
さらに色素成分である柿タンニンは年月を経るごとに縮合重合するために、
使い込むほど、古くなるほどに色味が強く変化していきます。
ものによっては革のような風合いになる場合もあるそうです。
化学染色のように日焼けで色が薄れていくのとは反対で、柿渋染の最大の魅力と言えます。
また、柿渋染は風合いが固くなるのが特徴ですが、これは柿渋の成分、ペクチンによるもの。
うちわや番傘に使われるように柿渋には紙や布を固く丈夫にする力もあります。
和粋庵の柿渋染商品
私が個人的におすすめしたいのは、柿渋染頭陀袋です!
作務衣もいいですが、やはり少々お値段が張りますので、手を出しやすいのは頭陀袋の方ではないかと思います。
本来使い込むとどうしても汚れてしまいがちなバッグですが、柿渋染はそれが「味」となって醸し出されます。
それはまさに革の財布やベルトを使い込んで「育てる」ような感覚と似ていると思います!
日本製の高品質品だからこそできる、お客様と歴史を歩むことのできる柿渋、是非ご堪能くださいませ☆
※ご注意※
柿渋には様々な効果がありますが、手入れをしなくてもよいという意味ではございません。
きちんとしたお手入れをしてくださればより一層長くご愛用できると思います。
予めご了承ください。